Monday, March 8, 2021

「これに出合って自作をやめた」フードプロデューサーが選ぶ、“絶対買い”のタレ4選 - 朝日新聞デジタル

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コミュニティー・プロデューサーの水代優さんに、暮らしを知的に楽しむアイテムを紹介してもらう連載「水代百貨店」。今回のテーマは調味料です。

フードプロデューサーとして日夜調味料の研究を重ね、ドレッシングやポン酢なども自作しているという水代さん。ところが、京都・大原のタレの専門店「味工房 志野」に出合ってからは、その機会も激減しているとか。

「志野のタレを使えば、手軽な料理がたちまちおいしくなります」。そう話す水代さんに、特におすすめのアイテムを四つ紹介してもらいました。

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存在感もありつつ、素材を引き立てるタレ

時短料理と逆行する「長時間料理のススメ」を説いている僕は、調味料も自分で作りたい性分。ポン酢、ごまだれ、ドレッシング。他にもウスターソースやケチャップ……材料の組み合わせや配合を変えながら、時間をかけて理想の味を追求するのが好きなんです。特に調味料のベースとなるかつお節と昆布の「だし」の研究は、僕にとってライフワークのようなもの。作る手間も含めて楽しいんですよね。

そんな僕が「京都大原・味工房 志野」に出合ったのは、かれこれ10年以上前。「大原三千院」で有名な京都・大原に紅葉を観に向かう道すがらお店があって、何の気なしに立ち寄ったのがきっかけです。

「これに出合って自作をやめた」フードプロデューサーが選ぶ、“絶対買い”のタレ4選

店頭に並ぶのはドレッシング、ポン酢、たれなどの調味料ばかり。不思議なお店だな、と思いながらさほど期待せずに味見してみたら――。

「なんじゃこれ!」

衝撃でした。いろんなドレッシング、ポン酢、ごまだれを試食するうちにあれもほしい、これもほしいとなって、気づいたら「箱にぜんぶ詰めて送ってください!」とお願いしている自分がいました(笑)。

ポン酢、ごまだれ、ドレッシングって、それ自体が主役ではなく、あくまで素材の引き立て役ですよね。でも、志野のすごいところは、タレ自体に存在感があるんです。かつお節、昆布、シイタケ、ごまの主張を鼻や舌で感じられる。でもそれぞれがでしゃばりすぎることなく、高いレベルでちゃんと調和しています。

主役級の存在感がありながら、豚しゃぶにつけると豚がおいしくなる。冷ややっこにかけると大豆の風味が引き立つ。素材のうまみや甘みをしっかり引き立ててくれるんです。

豚肉、豆腐、キャベツといった素材を4番に据えて、チャンスを演出しながら、自分たちもしっかり打点を稼ぐ。野球にたとえるなら最強の2番バッター、でしょうか(笑)。

「これに出合って自作をやめた」フードプロデューサーが選ぶ、“絶対買い”のタレ4選

志野のドレッシングの味を知ってしまってからは、正直、自分で作る機会が激減しました。そんな志野の数あるラインナップの中から、今回おすすめする商品を4本に絞りました。

特に、看板商品の「うまいごまだれ」と「ゆずぽん酢」を、いろんな素材につけて、かけて、その“ヤバさ”を味わってみてください!

01 どんな素材にもかけたくなる!「うまいごまだれ」

「これに出合って自作をやめた」フードプロデューサーが選ぶ、“絶対買い”のタレ4選

「志野」の充実したラインナップの中で、どれか一つ選べと言われるのは本当にツラいですが……強いて挙げるならこの「なんにでもかけたくなる うまいごまだれ」ですね。

口に入れてまず感じるのは、ごまの圧倒的な存在感。これでもかというくらい、ごまの風味がガツンと押し寄せてきます。なのに口の中がごま一色になることなく、かけた素材のうまみが追いかけてくる。ごまの風味を感じながらも、素材との“コラボ感”をしっかり感じられるんです。

野菜、肉、魚、豆腐……とにかく素材を選ばず、何につけても、かけても、その素材がただおいしくなるだけ。だから名前のとおり「なんにでもかけたくなる」んですよね。にんにくや、京都ならではの白みそといった脇役も素材のよさを引き立たせるためのアシストをしてくれます。

機会は減ったとはいえ、ぽん酢やドレッシングは今でもたまに作ります。でも、ごまだれに関しては完全に作るのをやめました。これ以上のものを作れる気がしませんので。僕にごまだれ作りを諦めさせてくれたごまだれ、ですね(笑)。

★どんな素材・料理に合う?

まずは定番の豚しゃぶで。僕の感覚では、豚肉が10倍おいしくなります。豆腐にかけても大豆のうまみがぐっと増します。

賞味期限が近づいてきたタイやアジのお刺し身が冷蔵庫にあったら、タイ茶漬けやアジのたたきにしてみてください。ごまの風味で臭みが消え、うまみが再生されます! 魚といえば、ブリにごまだれを塗って焼いたのもおいしかったなぁ。

野菜にはもちろん何でも合いますが、キュウリなどの野菜スティックがおすすめ。僕は白あえもよく作ります。夏場などはおそばにつけるのもおいしいですし、棒棒鶏(バンバンジー)や生春巻き……あとはグレービーソース代わりにローストビーフにかけてもうまいです!

「これに出合って自作をやめた」フードプロデューサーが選ぶ、“絶対買い”のタレ4選

タイの刺身にごまだれをかけてわけぎを添えれば完成。臭みが消えておいしさが増す

「これに出合って自作をやめた」フードプロデューサーが選ぶ、“絶対買い”のタレ4選

ごまだれをつけたタイで作るお茶漬けも絶品

02 四つの素材の存在感とハーモニー「ゆずのぽん酢」

「これに出合って自作をやめた」フードプロデューサーが選ぶ、“絶対買い”のタレ4選

「うまいごまだれ」と並ぶ志野の看板商品がこの「ゆずのぽん酢」。地元の料理人や食通の間では「しのぽん」の愛称で親しまれています。

ゆずぽん酢の主要な材料は、しょうゆ、かつお節、昆布、ゆずの四つ。シンプルなんだけど、実はこの四つのバランスがポン酢作りの難しいところなんです。

普通に考えると、四つとも高級素材を集めれば最高のポン酢になるように思えますよね? ところが実際にそれをやってみると、それぞれの素材の主張が強すぎてしまい、「おいしいと言えばおいしいけれど、これがベストではないな」という仕上がりになるんです。

だから、僕が作るときは、どれか一つをエースにする。たとえば利尻産の昆布をエースと決めたら、そのエースを引き立たせるためにベストなしょうゆ、かつお節、ゆずの“布陣”を考える。料理家ならこう考える人が少なくないと思います。四つ全てを主役にするのは難しいですから。

ところが「しのぽん」がすごいのは、四つがそろいもそろってエース級の存在感なんです。なのに、お互いがケンカすることなく絶妙なハーモニーを奏でる。ゆずが持つ爽快感を鼻で味わいながらも、食べた後に昆布、かつお節、しょうゆの余韻が口の中にしっかり残るんです。

この4選手が流れるようなパス回しで、野菜や肉などストライカーのゴールを演出する。全盛期のバルセロナを思わせる黄金の中盤カルテットですね(笑)。

「とは言っても、ポン酢ってどれも大差はないのでは?」と思っていませんか。そういう方にこそ、京都の料理人が認める「しのぽん」の黄金カルテットを感じてほしいなぁ。

★どんな素材・料理に合う?

ポン酢で食べる料理の定番、蒸し野菜や、白菜と豚肉のお鍋などに合うのは言うまでもありません。加えて豆苗、水菜、ネギなどシャキシャキ野菜との相性は抜群! 僕はさっとゆでた豆苗にかけてよく食べます。

脂っこい料理をさっぱり食べたいときにもいいですね。このゆずぽん酢と大根おろしでギョーザを食べると、カロリーが気にならなくなります(笑)。

ナスとの相性も最高ですね。揚げナスにかけてもいいですし、これを調味料に豚とナスを炒めると、もう箸が止まりません。ホウレンソウのバターソテーにさっとかけるのもお気に入りです。

「これに出合って自作をやめた」フードプロデューサーが選ぶ、“絶対買い”のタレ4選

だしとゆずのポン酢を使った、水菜、しめじ、油揚げのおひたし。口に含むと、まずは素材の味がしっかりと感じられ、そのあと余韻を残すようにポン酢の味が広がっていく

03 毎日でも食べ飽きない爽やかな酸味「ゆずと大根ドレッシング」

「これに出合って自作をやめた」フードプロデューサーが選ぶ、“絶対買い”のタレ4選
ドレッシングには、サウザンドレッシングのようにパワーの強いタイプと、素材の味を邪魔しない控えめなタイプがありますよね。僕は後者のタイプが好きで、突き詰めていった結果「塩とコショウとオリーブオイルこそ最強のドレッシング」という結論に一度は達していました。

ところが、この「ゆずと大根ドレッシング」に出合って、気づいたら塩とオリーブオイルで食べる回数が減っていましたね。

僕の中では「毎日でも食べ飽きないドレッシング」。ゆずと大根のさっぱりとした酸味は、野菜の甘みをぐっと引き立ててくれます。千切りキャベツなどはバクバクいけちゃいますよ。

ステーキなど、ちょっとぜいたくな肉料理の付け合わせにも最適。フレンチのコースで、魚料理と肉料理の間にレモンシャーベットなどの「酸味休憩」がありますよね。あの役割を果たしてくれます。

ドレッシングとしての圧倒的な完成度の高さは、ドレッシングを40年近く作り続けてきた志野だからこそ。僕にはまねしたくてもできません。

★どんな素材・料理に合う?

シャープだけどくどさのない酸味は、とにかく素材を選びません。ゆでた豚肉や厚揚げにも合いますし、海藻との相性も抜群です。

野菜は何にでも合いますが、僕がおすすめするのは水菜やルッコラ、クレソンなど苦みのある葉野菜。ほどよい酸味と苦みが混ざり合った「にが酸味」は、新しいジャンルの味覚体験です!

さらに、ここに白身魚のお刺し身を乗せて、ピンクペッパーとディルを散らしたら、ちょっとリッチなお刺し身サラダに早変わり。酸味が和らいで魚のうまみが加わることで、豊かな味わいが感じられます。

「これに出合って自作をやめた」フードプロデューサーが選ぶ、“絶対買い”のタレ4選

ルッコラ、ベビーリーフ、パストラミのサラダ。野菜の苦みとドレッシングの酸味が喧嘩せず調和する

04 普通の肉が“ファミレスの上をいく味”に!「たまねぎドレッシング」

「これに出合って自作をやめた」フードプロデューサーが選ぶ、“絶対買い”のタレ4選

この「ふつうにおいしいたまねぎドレッシング」に関しては、これだけ言わせてほしい。「ぜひ肉に使ってください!」。ドレッシングとしてももちろん優秀ですが、僕の中では「肉をおいしくする最高の調味料」です。

僕はよくソテーの下味に使います。鶏モモ肉や豚肩ロースをジップロックに入れ、そこにこのドレッシングをドボドボ入れて漬け込み、焼くだけで“ファミレスのワンランク上の味”です! 

僕の家の冷凍庫には、このドレッシングで肉を漬け込んだジップロックが常に入っています。肉の種類は問いません。とにかく焼く前に漬け込むのが重要です。ハンバーグだったら、焼いている途中にこれをかけて、火で飛ばして完成させてもおいしいです。

「ふつうにおいしい」というネーミングのとおり、たまねぎの優しい甘みは、年代を問わず好かれます。とりわけ子どもには大人気。たとえばホームパーティーでお子さんが来たら、このドレッシングにつけ込んだお肉を焼いてあげれば、きっと喜ばれますよ!

★どんな素材・料理に合う?

繰り返しますが、とにかく肉に使ってほしい。このドレッシングとしょうゆを5:1くらいの割合で混ぜて、ゆでた鶏肉とごはんに添えたら、エスニックな鶏ごはんのできあがり!

野菜ならニンジン、パプリカ、ピーマン、きゅうりなど、歯ごたえのある野菜との相性は抜群ですね。野菜スティックでシンプルに味わってみてください。

「これに出合って自作をやめた」フードプロデューサーが選ぶ、“絶対買い”のタレ4選

ジップロックにドレッシングとチキンを入れて1時間漬け込み、それからサッと焼くだけで、香ばしいチキンソテーのできあがり

(構成=堀尾大悟 写真=丸山智衣)

■店舗情報
味工房 志野
http://sino.shop38.makeshop.jp/

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PROFILE

水代 優

1978年生まれ。愛媛県出身。2002年より株式会社イデーにてカフェやライフスタイルショップの新規出店を数多く手掛ける。2012年にgood mornings株式会社を設立。東京・丸の内や神田、日本橋浜町を始め、全国各地で「場づくり」を行い、地域の課題解決や付加価値を高めるプロジェクトを数多く仕掛ける。

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