
コンペで全国3位に 畑でのつまずき克服
同校の部活動である生物工学部は竹を除草剤代わりに使う方法を考案。未来農業創造研究会主催の「大地の力コンペ2021」で全国3位に輝いた。
部長の石丸陽翔さん(17)はきっかけを「実家が農家で、畑に竹が侵入して困ると祖父が話すのを聞いていたから」と振り返る。
長崎大学の研究で、竹は植物の成長阻害物質を含むと知り、19年から取り組んだ。地元の放棄竹林伐採活動などに参加して竹を得ると、企業の協力も得てパウダー化した。
つまずきもあった。実験室では成長阻害効果を確認できたが、露地の野菜畑だと雑草に効かなかった。20年は新型コロナウイルス禍の中、生徒は家のプランターなどで試験を重ねたが、結果は変わらなかった。
顧問の教諭と原因を議論する中で、生徒から「成長阻害物質が雨で流れたのではないか」と意見が出た。そこで阻害物質が水に溶けるか試験を開始。竹パウダーを水に浸してろ過すると、水に抑草効果が移行。水に溶けると突き止めた。
「雨にぬれないように畑に施用すればよい」と考え、県内で行われるジャガイモの透明マルチ栽培に注目。地温上昇のために張る透明マルチは、中で雑草が成長する。除草剤の代わりに竹パウダーを使えないか試した。
ジャガイモに成長阻害効果が出ないように、竹パウダーを土の表面に施用。すき込まずにマルチを張った。収穫期までに50センチ四方に生えた雑草の数は3本で、無施用区の19本より少なかった。同じ方法でバーミキュライトを施用しても効果はなく、竹の力が明らかになった。
3年生の浦田優希さん(17)は「失敗続きでどうしようと思ったが、皆で新しい仮説を立て実験するのが楽しかった」と振り返る。
シイタケ栽培で収穫1か月早まる
食品科学部の生徒は、竹パウダーをシイタケ栽培に活用。20年に全国学芸サイエンスコンクール自然科学研究部門で文部科学大臣賞を受賞した。
同部は17年から研究を始めた。菌床の原料となる米ぬかを竹パウダーに置き換え、おがくずと混ぜる方法を考案。収穫までの日数が90日になり、従来法より1カ月早まった。
同部の生徒は、生物工学部と共に雲仙市の放棄竹林伐採活動に参加。「困った農家さんの力になりたい」と研究の意欲を語る。
からの記事と詳細 ( 竹をパウダー化 活用へ発想光る 雑草対策や菌床原料に 長崎県立諫早農高 - 日本農業新聞 )
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