Wednesday, February 24, 2021

ベーキングパウダーと重曹の違いは何?特徴と代用品まで徹底解説! - ウーマンエキサイト

antakatabur.blogspot.com 洋菓子作りに使われるベーキングパウダーは、しばしば重曹と比較されます。ベーキングパウダーは、その名の通りお菓子を焼くためのものですが、重曹はお菓子作り以外にも掃除や洗濯、工業製品の一部としても使われます。果たして両者の違いはどこにあるのでしょうか?

本記事では、ベーキングパウダーと重曹の成分や用途の違い、また代用品として使えるものについても詳しく解説します。ベーキングパウダーと重曹の違いを明確にして、それぞれを上手く使い分けてくださいね!

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■ベーキングパウダーの特徴

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スーパーで製菓材料コーナーに行くと、ゼラチンやバニラエッセンスなどの横に、箱に入って売られているベーキングパウダーの姿を目にします。その用途は、100%お菓子作りです。通称「ふくらし粉」とも呼ばれ、ケーキやクッキーをふっくらと膨張させるために使われます。一体その中身は何でできているのか、詳しく解説しましょう。

・ベーキングパウダーの成分


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ベーキングパウダーの成分は、ガス発生剤と酸性剤、遮断剤が混ぜ合わせて作られています。実は、ガス発生剤とは、ほぼ100%重曹のことを意味します。つまり、ベーキングパウダーの材料の一部が重曹なのです。

・粒子の細かいパウダー状


ベーキングパウダーは、見た目が薄力粉に似て、とても粒子が細かいパウダー状になっています。しかし、そのふくらし効果はあなどれません。たとえば小麦粉100gでケーキを作るとすれば、このサラサラのベーキングパウダーは、わずか2gほどあればこと足ります。

・3つの成分が含まれている


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ベーキングパウダーに含まれるガス発生剤(重曹)は、炭酸水素ナトリウムです。ほかの成分である酸性剤は、酒石酸水素カリウムや第一リン酸カルシウム。そして、遮断剤には、コーンスターチなどのデンプンが使われています。

それぞれの役割にも特徴があります。ガス発生剤が、炭酸ガスを発生させて生地を膨らませ、酸性剤はガス発生剤と混ざってさらにガスを発生させつつ、生地がアルカリ性になるのを防ぎます。そして、遮断剤は、生地の保存中にガス発生剤と酸性剤が化学反応しないように遮断する役割を果たします。

学生時代の化学の授業を受けているみたいで、苦手な人にとってはちょっとややこしいですよね。アルカリ性については、このあとの重曹のところでも説明しますが、これが強いとお菓子の焼き上がりに苦味が出たり、黄ばみが強くなり、ふんわりとした風味が奪われます。よって酸性剤の役割が重要になると覚えておきましょう。

・パウンドケーキやクッキーに使う


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ベーキングパウダーは無味無臭で、風味にも余分なくせがありませんから、バターを使うお菓子作りにはうってつけです。焼き色にも特段の影響を与えないため、パウンドケーキやクッキーを作るときに使うと良いでしょう。

■重曹の特徴

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つづいて重曹の特徴について解説しましょう。重曹も、お菓子作りの際には生地を膨らませるために使われますが、ベーキングパウダーに比べると少しくせがあるので、使い方には注意が必要です。

・成分


重曹は、炭酸水素ナトリウムで、重炭酸ソーダとも呼ばれます。ソーダは漢字で書くと、「曹達」で、重炭酸ソーダを略して「重曹」になりました。重曹には、発泡、膨張作用があるだけでなく、消臭作用や吸湿作用、研磨作用もあるため、工業製品の生成過程で使用されたり、掃除や洗濯の際の洗剤としても代用されます。

ただ、薬局などで売られている食用でない重曹は、食用に比べてやや不純物が多いです。その分安価になりますが、お菓子作りには使用できませんので、注意してくださいね。

・サラサラとした細かい顆粒状


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重曹は、ベーキングパウダーほどきめ細かくはありませんが、砂糖のようにサラサラとして細かい顆粒状です。見慣れている方なら、一見して見分けることができるかもしれませんね。

・アルカリ性


重曹の大きな特徴は、アルカリ性という点です。そのため、重曹をキッチンで使うと温泉で臭う硫黄に似た独特の香りがすることがあります。そしてお菓子に使うと生地が膨らむだけでなく、色目も黄色味がかります。重曹のもつアルカリ成分が、小麦粉に含まれるフラボノイド色素と反応することで、生地を黄色くする作用が生まれるのです。

・どら焼きや饅頭に使う


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重曹を使うと、お菓子の仕上がりはもっちり・もったりとし、しょっぱく感じることもあります。そのため、どら焼きや饅頭などの和菓子に利用されることが多いです。ベーキングパウダーはきめ細やかで、生地全体に適度に分散しますが、重曹の分散の仕方はやや粗いです。

そのため、でき上がったお菓子の断面を見ると、気泡のでき方にかたよりがあり、模様にもムラができることが多い特徴があります。

■ベーキングパウダーと重曹の違い

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ベーキングパウダーと重曹には、違いがあることが分かってきたと思いますが、さらに大きな違いがあるので掘り下げていきましょう。同じ膨張剤としての役割を持ちながら、膨らみ方やその際の条件も異なりますので、よく理解しておいてくださいね。

・【ベーキングパウダー】水分で膨張する


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ベーキングパウダーは、水分を含むことで膨張します。そして、加熱することでも再度膨張します。これを通称「ダブルアクティング」といいます。つまり、水にも熱にも2段階で反応するのが、ベーキングパウダーの特徴なのです。

・【重曹】加熱しないと膨張しない


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重曹は、加熱したときのみ膨張します。ベーキングパウダーとは異なり、水分を与えてもまったく膨らみません。

・【ベーキングパウダー】縦に膨らむ


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ベーキングパウダーは、縦方向に膨張する特徴があります。しかも生地に混ぜて水を加えた途端に炭酸ガスが発生して膨張し始めるので、できるだけ早くに焼く工程に入る必要があります。そのためベーキングパウダーを使う際は、ほかの作業に気を取られないで、お菓子作りだけに集中できる環境をつくってくださいね。

・【重曹】横に膨らむ


重曹は、横方向に膨らむ性質を持ちます。また、ベーキングパウダーと違って生地を寝かしておいても炭酸ガスは発生しません。そのあとにしっかりと膨らむので、あまり急いで焼かなくても良いでしょう。

・大さじ1・小さじ1はそれぞれ何グラム?


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大さじ1は、15cc、小さじ1は、5ccです。小学校の家庭科の授業で習ったことを思い出しますね。gに変換すると、水や酒の場合は、大さじ1は15g、小さじ1なら5gですが、必ずしもほかの調味料などが同じとは限りません。

ベーキングパウダーなら、大さじ1で約12g、小さじ1は、約4g。重曹は、大さじ1が約9g、小さじ1が約5.5gになるのが一般的です。(メーカーにより若干の誤差はあります)

大さじ1の15ccが、そのまま15gと勘違いしてしまうことがよくありますが、実際は異なることが多いので、レシピを活用する際には気をつけてくださいね。

■ベーキングパウダーと重曹どちらを使う?

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ベーキングパウダーと重曹では、用途や反応の仕方と条件もことなります。そのため、ベーキングパウダーと重曹のどちらを使用するのが良いかは、何を作るかによって異なってきます。

・使用する材料によって決まる


たとえば、お菓子作りによく使われる牛乳や水は、そのまま重曹に入れても反応しません。つまり、生地を膨らませることはできないということです。ところが、ベーキングパウダーなら牛乳にも水にもすぐに反応して炭酸ガスが発生し、膨張し始めます。

・一般的にはベーキングパウダー


お菓子作りによく使われるのは、一般的にベーキングパウダーといって良いでしょう。お菓子のレシピを見てもベーキングパウダーの方が重曹よりも圧倒的に多いです。ベーキングパウダーには、そのものに酸性剤が含まれているため、単独でバランスよく反応してふっくらとした無味無臭の風味に仕上がます。

先ほど説明したようにダブルアクティングにより2段階に分けて膨らむので、加熱したときにしか膨らまない重曹に比べるとお菓子作りに失敗しないというメリットもあるといえるでしょう。さらに重曹の場合は、炭酸ガスにならなかった成分が、炭酸ナトリウムとして残ることで黄ばみの原因となりますから、家庭でよく作られる洋菓子には、ベーキングパウダーの方が合っているのです。

・酸性液がたくさん入る場合は重曹


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重曹に残る炭酸ナトリウムは、たとえば黒糖蒸しパンや黒糖饅頭などにはうってつけです。しかし、一つ間違えると苦みやしょっぱさが目立ってまずくなります。

ただし、重曹のアルカリ性は、ヨーグルトやレモン汁などの酸性液をたくさん使う場合は上手く反応して膨らむため、おすすめです。

■ベーキングパウダーと重曹を両方使えるのはなぜ?

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レシピによっては、ベーキングパウダーと重曹の両方が使えるものがあります。これはそれぞれの持ち味を活かせるからにほかなりません。何を作りたいか、作ったお菓子にどのような特徴を持たせたいかによって、使い分けしていけると良いですね。

・酸味を残したい場合


レモン汁やヨーグルトなどを使った酸度の高いレシピには重曹を積極的に使います。そのほうが炭酸ガスが発生しやすくなり、生地をふくらますことができるからです。ほかにも酸度が高い素材としては、はちみつ、バターミルク、ブラウンシュガーなどがあります。

しかし、重曹だけでは十分に生地を膨らますことができない場合もあり、その際はベーキングパウダーを追加して調整します。また、重曹はアルカリ性のため、加えることですっぱさが消される傾向にあります。これは、ケーキやビスケットに限らずほかの料理を作る際にもいえることです。

つまり、おかずなどのすっぱさを抑えたいときに、重曹をひとつまみだけ加えるということがあります。そのため、逆に酸味を残したいときには、重曹単独ではなく、ベーキングパウダーと上手く調合させて味を調えるという技も使えるわけです。

・焼き色を加えたい場合


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重曹には、小麦粉に含まれるフラボノイド色素を利用して、生地に黄色く焼き色をつける効果があります。そのため、ベーキングパウダーを使うレシピでも、あえて重曹を加えることで焼き色を加えることが可能です。

苦味と焼き色が特徴のあるお菓子としては、どら焼きがあげられます。また、クッキーでも濃い目の焼き色をくわえたいときには、重曹を使うのがおすすめです。

■アルミフリーのベーキングパウダーって?

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市販されているベーキングパウダーの中には、アルミフリーがうたわれている商品があります。アルミフリーとは、一体どのような意味があるのでしょうか?

・アルミフリーのベーキングパウダーとは


市販のベーキングパウダーには、アルミニウム入りとアルミフリーのタイプがあります。歴史的に見ると、もともとはアルミニウム入りのベーキングパウダーしかありませんでした。

しかし、アルミニウムが脳神経に悪影響をおよぼし、認知症の一種であるアルツハイマー病の原因となるという説が広まると、ベーキングパウダーに対する世間の目も厳しくなってきました。たしかに認知症という言葉を聞くと、聞き流すわけにはいきませんよね。とくに小さな子どもを育てている親としては、不安要素が少なくありません。

以上のような流れの中で、アルミニウムがいっさい含まれていないアルミフリーのベーキングパウダーが開発されたのです。ちなみに、アルミニウムとは「硫酸アルミニウムカリウム」や「ミョウバン」という名でパッケージの原材料に書かれていることが多いです。

・アルミフリーのベーキングパウダーを使うメリット


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アルミニウム入りのベーキングパウダーを使うと、一日に摂取しても問題ないといわれる摂取量を越してしまうことが珍しくありません。とくに成長期にある小さな子どもに食べさせるのは、不安がつきまといます。そこで、アルミフリーのベーキングパウダーを使用すれば、離乳食にも使えて安心といえるでしょう。

アルミニウムが人体に悪影響をおよぼすという議論は、以前に比べると下火となり、現在ではその確証がないともいわれています。体内に入ったアルミニウムの約99%は体外に排出されると考えられてもいます。しかし、疑いがゼロでないかぎりは、アルミフリーのタイプを使う方が安心というのが世論なのです。

・小麦アレルギーの方は厳禁


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アルミフリーのベーキングパウダーのなかにはデンプンが使用されているものがあります。その場合、小麦アレルギーの方は使用できません。小麦アレルギーの方は、アルミフリーかつアレルゲンフリーのベーキングパウダーをおすすめします。

■ベーキングパウダーがないときの代用品

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子どもから急に「おやつが欲しい」といわれて作ろうとしても、ベーキングパウダーがないことがあるかもしれません。しかし、その場合でも、いくつか代用できるものがあります。ベーキングパウダーとまったく同じというわけにはいきませんが、目的別に使えるものが複数あるので、参考にしてくださいね。

・重曹


ベーキングパウダーの代用品の筆頭としては、やはり重曹があげられます。重曹は、ベーキングパウダーのようにきめ細やかで白っぽい見た目には仕上げられないため、シフォンケーキのようにしっとりしたお菓子は作れません。しかし、チョコレートやココアを使った黒味のあるお菓子なら十分に作ることができます。

黒糖風味のお菓子も作れるので、大人向けには良いかもしれませんね。小豆があれば、どら焼きもおすすめです。ちなみに、重曹は、ベーキングパウダーの2/3の量が目安です。ベーキングパウダーより少なくてすむ分、経済的といえるかもしれません。

・ドライイースト


ドライイーストは、イースト菌というパン酵母のことです。ベーキングパウダーと同じく膨張剤の一種のため、代用可能ですよ。ただし、ドライイーストは発酵させて二酸化炭素が発生するまで時間がかかるので、しばらくの間生地を寝かせる必要があります。時間に余裕があるときには、おすすめですよ。

・ホットケーキミックス


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ホットケーキミックスもベーキングパウダーの代わりに使うことができます。そもそもホットケーキミックスの材料の一部はベーキングパウダーですからね。ただし、それ以外に薄力粉や砂糖が混ざっており、何を作ったとしてもホットケーキ風の味からは抜け出せないというデメリットがあります。

・片栗粉・薄力粉はNG


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ベーキングパウダーに見た目がそっくりな素材として、片栗粉と薄力粉があります。ちなみに、片栗粉は、もとはユリ科のカタクリの根茎が原料でしたが、現在は、じゃがいものデンプンから作られています。

それでも、用途はあくまでとろみをつけたり、唐揚げの衣などですし、ベーキングパウダーとは成分がまったく異なります。よってベーキングパウダーの代用には使えません。

また、薄力粉もサラサラときめ細やかでベーキングパウダーにそっくりですが、あくまで小麦粉の一種で、膨張剤となまったく異なるため、ベーキングパウダーの代用品にはなりません。

■ベーキングパウダーと重曹の違いを知って上手く活用しよう

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ベーキングパウダーと重曹について詳しく知って行くと、化学の勉強をしているような気になりませんでしたか?炭酸ガスが発生することで生地が膨らむことがわかりましたし、重曹がアルカリ性のため、酸度の強いレシピに使うと中和されてすっぱさを抑えることも可能です。「料理は化学」と言われる理由が、よくわかりますね。

もしベーキングパウダーが手元になくても、アレンジがきく代用品があることもわかりました。お菓子作りは、こうでないといけないというルールはありません。レシピ通りに作ったはずが手順や量を間違ってしまって、かえっておいしくなることもよくある話です。

ベーキングパウダーや重曹も使い方次第で今までにない意外なお菓子ができあがるかもしれませんよ。ぜひ想像を膨らませて、自由な発想で、得意レシピを開発してみてはいかがでしょうか?

≪参考≫
・国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「アルミニウムの安全性について (Ver.190711)」

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