初の現役ドラフトでソフトバンクから阪神に今季から加入した大竹耕太郎投手(27)。今春キャンプでは、紅白戦を含む実戦3試合で計9イニング2安打無失点と、圧巻の投球を披露した。ひょうひょうと打者を抑えられる秘訣(ひけつ)には、研ぎ澄まされた第六感と“ママチャリ理論”を駆使したチェンジアップの存在があった。
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足を上げてから、ボールを離すまで約1秒半。大竹はその瞬間で打者の心情を無意識に察知する。打ち気にはやっているのか、はなから見逃すつもりか-。その特殊能力が投球の核となっていた。
走者なしでもクイックを駆使するなどして、打者のタイミングを外す技巧派。その技術の使い分けは、相手が醸し出す雰囲気から探り出すという。「調子が良いときだけなんですけど、なんとなくわかるんですよね。この打者かかってるなとか、緊張してガチガチだなとか。何でなんですかね」と笑いながら明かす。
大竹が重視するのが『なんとなく』感じる打者心理。打ち気満々であれば、ゆったりと投球間隔を取って焦らし、受け身と感じたならばクイック投法でその間を差す。自身で説明はできなくとも、確実に宿っている“第六感”で駆け引きを繰り広げている。
その駆け引きにおいて最大の武器となるのが、宝刀・チェンジアップだ。握り方を変えずとも意図的に球速を遅くすることができるという。「スタンドを立てたママチャリはいくらこいでも進まない。ギアの軽い自転車もなかなか進みにくい。(球速を抑えるのは)それと一緒の感覚です」。ボールを握る強さ、投球フォームの割れの部分の時間を調整して球速を操作。打者がタイミングを取り始めてから、緩急を操る“後出しの利”を生かしている。
実戦でバッテリーを組んだ坂本は「自分でタイミングを変えてくれるのでありがたい」と感服。「相手も考えることが増えて、フルスイングされる確率が低くなる」と大竹の妙技の効果を証言した。
「映像で見てもすごい」と、ベテランの知識や経験を基に打者を幻惑するヤクルト・石川を理想に掲げた左腕。第六感をさらに研ぎ澄ませ、セ界の強打者に立ち向かう。(デイリースポーツ・北村孝紀)
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