セ・リーグ 広島4-5ヤクルト ( 2021年10月1日 マツダ )
広島は1日のヤクルト戦に逆転で敗れ、今季最長を更新する7連勝を逃した。3点を奪って逆転した直後の8回に投入したケムナ誠投手(26)が3失点して再逆転された。8回は両リーグワーストの計92失点を数え、勝ち継投が固定できない課題を改めて突きつけられた。ヤクルトには5勝12敗3分けとなり、6年ぶりの負け越しも決まった。
8回に潜む落とし穴に何度落ちても、その解決策はいまだに見えないままだ。佐々岡監督は「昨日打たれたけど、うちの7、8回で起用するケムナを信用して(送り出した)」と振り返る。しかし、前夜の失点を取り返そうとしたケムナの意気込みは、力みとなって空回りした。
7回に逆転に成功して迎えた4―2の8回だった。先頭の青木を中前打で出塁させると、突然制球を制御できなくなった。続く山田に四球を与え、続く村上に対する初球が暴投となって無死二、三塁。村上に遊ゴロを転がされて1点差に迫られ、続くオスナには左中間への適時三塁打を浴びて同点を許した。なお1死三塁で代わった島内も中村に中前適時打を許して一挙3失点。リードを守って抑えの栗林につなぐ算段は崩れ、2敗目がついたケムナは「四球を出して流れを悪くしてしまった」と反省した。
これで今季の8回は両リーグ最多の計92失点を数えた。次に多いのは阪神の73点で、両リーグ最少はソフトバンクの26失点、セ・リーグ最少は中日の34失点。差は歴然で、開幕から勝ち継投を固定できずにきた救援陣の力不足は認めざるを得ないと言える。
横山投手コーチは「抑えないといけないという力みの方が強くなってしまっていたように見えた」と分析した。救援防御率3・534はリーグ4位で極端に悪いわけではない。8回の失点数が示すように、重圧のかかる接戦の終盤で、ことごとく本来の力を見失ってきた。一時勝ち継投を担った塹江、コルニエル、大道らは経験豊富とは言えないだけに、ときに失敗を犯すことも織り込み済みだろう。同コーチが「絶対打たれない投手はいない。切り替えて、どういう投球をするかに期待したい」と言うように、失敗を次回にどう生かすかが問われている。
ケムナは「明日からもう一度、同じ状況を任せてもらえるならチームに勢いをつける投球をしたい」と言った。選手は、この悔しさを無駄にしないようにと必死にもがいている。(河合 洋介)
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