<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>
巨人戸郷翔征投手(23)が頼もしい。8日の中日戦(東京ドーム)では自己最長の延長10回を3安打無失点で“完封”。援護には恵まれなかったが、140球を堂々と投げきり「球数的には、もう1回投げられましたけど、打順が回ってきたので、しょうがなかったです」とさらりと言った。まさに若きエースの貫禄だった。
身体能力だけに頼らない、「考える力」が結果に結び付いている。中学1年までは捕手を務めた経験から、配球にも工夫を凝らす。バッテリーを組む相手と相談しながら、常にマウンド上で脳内をフル回転させている。
特に打たれた直後は顕著だ。「打たれたら、すぐになぜダメだったのかを考えます。『ここのメカニズムが悪かったから、甘くなったんだ』とか」と仮説を立てて、修正する。
特徴である早いテンポの投球間でも「次はこうしよう」「この打者はこのボールかな」と1球1球思考を巡らせる。大事なのは自分なりの答えを出すこと。「『相手の方が上だったから』だと成長が止まっちゃう。だからとにかく考えます」。日々繰り返すことで仮説の精度が上がり、修正力も上がる。
登板日でなくても脳内は動いている。2ケタ勝利を挙げてから10回0封した8日の中日戦前までは直近4戦3敗。考えた結果、たどり着いた1つの答えが力の出力の調整だった。直球の球速は150キロを超えるも、制球が定まらずに捉えられていた。「球速を出しにいきすぎて、コントロールは悪くなっていた」と反省した。相手打線の特徴を頭に入れ、制球とのバランスを取りながら投げ込むスタイルに回帰。「力を入れて、あまりいい結果がなかった。それを変えたらいい結果が出た、これからも継続していこうと思います」と結果につなげた。
戸郷は言う。「考えなくなったら人間終わりだなと思います。常に成長しようと思わないと」。成長し続ける人生を明るい笑顔で心ゆくまで楽しむ。戸郷翔征はそういう男だ。【巨人担当 小早川宗一郎】
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