「くさくて込んでいるトイレで髪の手入れをするのがつらかったけれども、もう今は気兼ねなくできるからいいですね」
先月28日午後6時ごろ、ソウル市竜山区の地下鉄4・6号線三角地駅にある「男性専用パウダールーム」で、大学生のチェさん(24)がヘアワックスを付けながら言った言葉だ。ここはソウル交通公社が一昨年末、韓国で初めての地下鉄駅内に設置した男性用化粧スペースだ。3坪ほどのスペースに大きめの鏡と化粧品を置くことができる棚がそれぞれ3つずつ設置されている。中では20-30代の男性たちが鏡を見ながら顔にBBクリームを塗ったり、唇に淡い色のリップクリームを付けたりしていた。チェさんは「今日だけで2回来ました。ランチの時も結婚式に行く前も立ち寄ってヘアスタイルやネクタイを直しました」と語った。
「パウダールーム=女性の空間」という社会通念が崩れつつある。美容への投資を惜しまない男性、いわゆる「グルーミング族」が増えているのだ。会社員のユン・ソンサンさん(25)は「スキンローションから始めて、ファンデーション、アイシャドウ、リップクリーム、ミストなど一日に塗る化粧品だけで13個。付けるようになってから『好印象』とよく言われるようになって、今では習慣になりました」と話した。
事実、国際市場調査会社ユーロ・モニターによると、韓国の男性化粧品市場規模は2010年の7300億ウォン(約675億円)から昨年は約1兆2800億ウォン(約1183億円)へと急成長している。しかも、韓国人男性が化粧品を1回買う時に使うお金は45ドル(約4900円)で世界1位だった。ソウル交通公社の関係者は「2017年から女性用パウダールームを駅に設置してきたが、一昨年『男性も化粧するのに、トイレが手狭だ』という意見があり、設置するようになった」と説明した。
「化粧する男性」というトレンドはマンション市場にも影響を与えている。メインベッドルームに男性用パウダールームを作る建設会社が増えているのだ。大手建設会社のポスコ建設は「ミスター・パウダー・スペース」、ロッテ建設は「グルーミング・ドレスルーム」という名前で新築マンションを建てる際に男性化粧品やアクセサリーなどを置くことができるスペースを設けている。広さは女性用パウダールームの半分程度だ。ポスコ関係者は「これまでのパウダールームは当然のことながら女性用だけだったが、3-4年前から男性も外見を飾るスペースが必要だという要求が増えている」と話す。
慶北大学心理学科のキム・ジホ教授は「日本でも趣味で化粧を楽しむ男性が多いが、韓国のように主流文化ではない。社会が求める『成功した男』の姿において身だしなみを整えた外見が大きな比重を占めるようになって生じた現象だ」と分析している。
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January 12, 2020 at 04:01AM
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ヘアワックスにBBクリーム…ソウルの地下鉄駅に男性用パウダールーム登場 - 朝鮮日報
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