Thursday, November 16, 2023

「やまや」の辛子明太子、工場も食欲そそる香り…秘伝のたれに ... - 読売新聞オンライン

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 高台にある真っ白な工場に足を踏み入れると、食欲をそそる辛子明太子の香りが漂ってきた。やまやコミュニケーションズ(福岡県篠栗町)が県内四つの工場を集約し、今年4月に稼働を始めた本社工場。サプライチェーン本部の中野光原料購買マネジャーに案内してもらった。(→ 動画はこちら

 やまやの辛子明太子は、ロシア産と米国産のスケトウダラの卵を使い、ブロック状にカチカチに凍った状態から一晩かけて解凍することから工程は始まる。

 解凍後、原卵を洗浄して、「 塩蔵えんぞう 液」と呼ばれる塩分濃度が高い食塩水に漬けることで、日持ちが良くなり、卵の表面に「プチプチ」とした食感が生まれる。手作業で寄生虫などの異物を取り除き、冷蔵すれば明太子となる。

 最新技術を導入し、人工知能(AI)を搭載した機械がベルトコンベヤーを流れる明太子の色合いや皮の破れ具合を見分けて贈答用の「特上」から、おにぎりの具やパスタソース用まで1秒1個のペースで選別する。

 ここから味付けが始まる。登場するのは、つぎ足しで代々伝わる秘伝の「 たくみ のたれ」。酒に唐辛子やユズを混ぜた調味料で、北海道産の羅臼昆布と一緒に漬ける。創業者の先代社長が1970年代に試行錯誤で完成させ、「まろやかでコクのある濃厚なうま味を引き出してくれる」と、たどり着いた漬け込み時間は168時間(7日間)。たれが染みこんだ辛子明太子が1週間で完成する。

 重さを量り、手作業で袋詰めしてX線と金属探知機で異物の混入を検査して箱詰めする。この工場では現在、年間3000トンを生産しており、将来は業務用の生産量を増やす計画だ。

 工場にはガラス越しに見学できるスペースも設けており、子供たちがクイズを通して明太子を学べるようになっている。但馬祐司統括工場長は「機械化やロボット化を進めて安心・安全に努め、業界ナンバー1でありたい」と話している。

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