大阪市を廃止して4特別区に再編する大阪都構想の住民投票の投開票を1日に控え、推進派・反対派双方のアピール合戦が白熱している。今回の住民投票は投票率に関係なく成立し、1票でも賛成が上回れば特別区移行が決まる。「納得して賛成を」「迷えば反対を」。両派は互いの訴えや世論の動向を意識しつつ、有権者に響くフレーズを駆使して「最後の訴え」を続けている。
「反対派が『分からなければ反対』と言うのは無責任。分からなければ僕に聞いて」
推進派の大阪維新の会代表の松井一郎市長は終盤に入り、こうした言葉で訴えかけることが増えた。
松井氏の街頭演説は毎回、聴衆から質問を募って直接答えるスタイル。都構想に関して依然、「説明不足」とする声が多いことを意識しての対応だ。
新型コロナウイルス禍で、市主催の説明会の回数は平成27年5月の前回住民投票時と比べて激減。産経新聞社などが23~25日に実施した住民投票の情勢調査でも、大阪府市による都構想の説明は「十分ではない」と答えた人が70・0%と、高い割合を示している。
都構想は自治体の統治機構改革であり、その仕組みは極めて複雑だ。理解を浸透させるのは容易ではない。この「分かりにくさ」は反対派も意識しているとみられ、共産党市議団の山中智子団長は「都構想は百害あって一利なし。『(都構想が)分からない』という人は反対と書いて」などと強調。発信力に定評のある立憲民主党府連の辻元清美代表も「最後に迷っている、わからん人は『反対』と書いて。一回立ち止まる、ということを選んで」と呼び掛けている。
これに対し、松井氏は「『分からなければ反対を』というのは政治家失格」と断じ、「水道料金や税金は上がりません」と、市民生活に密接する部分を繰り返し説明している。
一方、推進派の公明党府本部の佐藤茂樹代表が力を入れるのは、5年前の反対から賛成に転じた理由の説明だ。都構想の協定書(設計図)に公明の主張で敬老パスなどのサービス維持が明記されたことを説明し、「納得して賛成票を投じて」と呼び掛けている。
「正しく知れば必ずノーになる」というフレーズで、有権者に都構想の問題点を訴えるのは自民党市議団の北野妙子幹事長だ。政令市になる際は住民投票は行われない一方、特別区に分割する際に必要となっているのは「市民が損をするからだ」と指摘。移行によるコスト増加は協定書に示された金額より大幅に膨らむと主張し、棄権せずにデメリットを知った上で反対票を投じてほしいと訴えている。
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