Monday, May 1, 2023

打たれた夜、ヤクルトの守護神が記者にくれた「きっかけ」とその ... - 朝日新聞デジタル

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 「あー、くそー!」

 悔しそうな表情を浮かべながら、ヤクルトの田口麗斗(かずと)は報道陣の前をゆっくりと通った。こちらに目線をちらりと向けながら。

 それは、田口がくれた「きっかけ」だった。

 4月27日、横浜スタジアムの関係者駐車場。報道陣は試合後、ここで首脳陣や選手の話を聞くため、待ち受ける。

 この夜、ヤクルトの抑えを務める田口は十回のピンチで登板し、サヨナラ安打を浴びた。チームは5連敗となった。

 打たれた救援投手に取材するのは、こちらも気をつかうところ。問いかけに無言を貫く投手もいる。

 しかし、田口は冒頭の「目配せ」をきっかけに、立ち止まって取材を受けてくれた。

 「もっと厳しくというか、気持ち良くスイングさせてしまったので、もったいないなかった。僕のミスかなと思います」

 「負けて悔しくない選手はいない。今日のうちに悔しがって、明日はちゃんと切り替えてグラウンドに顔を出せるように。しっかりやるだけです」

 なかなか波に乗れない4月。投手キャプテンとしても、必死に前を向こうとする左腕の姿があった。

 あの夜、なぜ我々に「きっかけ」をくれたのか。30日の試合前、田口に理由を聞いた。

 「ああ。だって、お互い仕事…

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