北沢祐生
来年度の開院を目指す新潟県三条市の県央基幹病院で県が今月から、45歳ぐらいまでの常勤の麻酔科医を複数募集している。救急患者を24時間、365日受け入れるために欠かせない存在だが、その不足は深刻で全国ワースト5に沈む。ハーバード大など海外へのオンライン留学を支援する制度も用意し、「断らない医療」の実現へリーダー格としての活躍に期待を寄せる。
新病院の開設は、三条市や隣の燕市周辺の病院再編の一環で進められている。県立燕労災、厚生連三条総合の両病院を統合し、ここに済生会三条病院、県立吉田、県立加茂の3病院を含む公立・公的5病院の急性期機能を集約する。
病床400床の中核病院として、「断らない救急」「専門医療の提供」「教育研修」の役割を担う。済生会三条などの3病院は残し、住民により身近な医療を提供するほか、新病院と応援医師の派遣などで連携する。
麻酔科医は病院に所属しないフリーランスもいて、「流動性が高く、不足感が最もある専門医」と県の担当者。新病院立ち上げの中心になる県立燕労災病院には常勤が1人いるが、残り4人はいずれも週1~2日ほどの勤務の非常勤で、しかも県外に住んでいる。緊急手術への対応が難しいケースもあり、麻酔科医がいない手術は医療事故などのリスクも高まるという。
そんななか県が打ち出したのが、オンライン海外留学を支援する制度だ。スキルアップや世界で貢献する人材の育成を狙い、留学試験に合格した1人に資金を貸し付ける。返還を免除する規定も設けた。担当者は「ぜひ新病院に立ち上げから関わり、麻酔科を統括・運営してもらうリーダーになってほしい」と呼びかける。(北沢祐生)
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