2021年6月、東京都内の公園で遊んでいた南アジア出身の40代の女性と当時3歳の長女が、警視庁の警察署で不当な任意聴取を受け個人情報を漏らされたとして、都に損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が5日、東京地裁(片野正樹裁判長)であった。当時、公園に居合わせた男性が「警察官が3歳の女の子に『おまえ本当に日本語しゃべれねえのか』と言った。こんな口調で話すのかとショックを受けた」と証言した。
訴訟では、女性に対して、別の親子の父親が「子どもが女の子に蹴られた」と主張したトラブルを巡り、駆けつけた署員計6人の対応が争点になっている。
証言によると、男性は母子と面識がなく、母子が日本語を話せない様子を見て、英語で通訳をした。「蹴られた」と主張した父親は母子に「ごみ、くず」「国へ帰れ」などの暴言を吐いたが、署員が止める様子はなかった。女性の「息子が家に帰ってくるので、私も帰宅しないといけない」との言葉を和訳して署員に伝えたが、署員は母子を車で署に連れて行ったという。
証言によると、男性は母子と面識がなく、母子が日本語を話せない様子を見て、英語で通訳をした。「蹴られた」と主張した父親は母子に「ごみ、くず」「国へ帰れ」などの暴言を吐いたが、署員が止める様子はなかった。女性の「息子が家に帰ってくるので、私も帰宅しないといけない」との言葉を和訳して署員に伝えたが、署員は母子を車で署に連れて行ったという。
さらに、男性は「警察官を前に、父親はツイッター(現X)で私や母親の写真を『さらす』と話していた。警察は、父親が強い悪意を持ち、危険な行動をするとわかっていたはずだ。だが警察官はそれを止めず、親子に対し見下すような態度だった」と話した。
◆「こんなガイジン」発言も 警察官「差別と思わない」
この日、女性も証言台に立った。「警察署で『帰りたい』『娘に食事させたい』と言っても聞いてもらえず、3歳の娘だけで事情聴取された。娘が泣き叫ぶ声を聴き、取調室のドアを開け『娘に何をしているのか』と怒った。娘は現在もショックで夜泣きなどをする」とつらい体験を語った。
さらに、署員に「トラブルとなった相手に、母親の連絡先を伝える」と持ちかけられた際、拒否したのに勝手に伝えられたと述べた。相手の父親はその後、Xで母子の写真を投稿したという。女性は「男性はXでも娘や私の写真をさらしており悲しい。この国の正義を信じている」と訴えた。
また、公園に最初に駆けつけた交番の署員も証言した。署員は「父親は『こんなガイジン日本に入れるな』『3000万以下の年収は、ゴミだ、クズだ』と言っていたが差別的な言動とは思わない」などと述べた。(望月衣塑子)
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