世界的な新型コロナウイルスの蔓延に伴い、リユース企業の海外販路が閉ざされている。世界各地でロックダウン(都市封鎖)や入国制限が行われ、欧米や東南アジアなどへのモノの出口が断たれているためだ。行き場を失ったことにより、国内の相場にも大きな影響を及ぼしている。
比・市場開催できず輸出に打撃
ブランド品相場2~3割急落
回収した不用品や買取した商材を東南アジアにコンテナで輸出する事業者が苦境に立たされている。仕向け先の主力であるフィリピンでは、3月15日から4月14日までマニラ首都圏が封鎖、この間の外出禁止令が出たことで、現地でオークションが開催できない状況になっている。先月25日時点では、「荷物はなんとか送れていますが、保管場所が厳しく換金もできない。オークションが再開しても、換金されるのはいつになることか」と事業者は途方に暮れる。
また、フィリピンと並んで仕向け先として知られるカンボジアは4月1日時点で、外出禁止令は出ておらず、荷物も送れる状況。ただ、経済活動の停滞で受け入れられる量は限られてきているようだ。
日本のリユース企業が多く進出しているタイでは外出禁止令により現地店舗の休業が相次いでいる。トレジャー・ファクトリーが3店舗全て、同じくワットマンも現地の全店舗を4月12日まで休業としている。
ブックオフがマレーシアで展開するジャランジャランジャパンも3月18日から全店が休業。政府がロックダウンを発表し外出禁止の影響により、4月14日まで休業を強いられている。
こうした海外輸出が難しい状況を受けて、国内の道具市場では国内向けに販売する一部のバイヤーが買漁っている。ただ、「ぬいぐるみや桐箪笥といった輸出商材の相場は輸出バイヤーが買わないことから、下落しています」と関係者は話す。
また、海外販路が閉ざされているのは、欧米や中国向けも同様だ。日本郵便が3月13日に中国向けのEMSを停止、4月2日からは追加で世界153ヵ国・地域向けの引き受けを停止すると発表。米国、英国、フランス、韓国等は継続するが大幅に遅延する可能性があるとしており、海外卸や越境ECにも大きな影響が出そうだ。「人・モノが動けない中、どうしようもない」と諦めの状況。そのため、ブランド品を競る国内の古物市場では、海外向け卸事業者らが買い控えたことにより、主に高額品の相場が20~30%程度下落。「パニックになっており、もはや相場と言えない状況」(市場関係者)。買えない事業者と損切りしたくない事業者の間で商いが成立せず、成約率が大幅に低下している模様だ。資金繰り的にも苦しくなる事業者が増えており、舵取りが難しくなっている。
第485号(2020/4/10発行)1面
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April 10, 2020 at 10:02AM
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「行き場失う海外商材 新型コロナで出口断たれ相場下落」 - 株式会社リフォーム産業新聞社
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