日本ハム伊藤大海投手(24)が24日ロッテ戦で今季初めて本塁打を許した。2回に今季416人目の打者となるレアードに左翼席へ運ばれ、開幕からの被本塁打0は98回1/3でストップした。50年代には開幕から被本塁打0を100イニング以上続けたのが54年宅和(南海=131回2/3)や57年若生(西鉄=163回1/3)ら8人いたが、最近はほとんど見かけない。94年斎藤隆(横浜)が91回2/3、14年メンドーサ(日本ハム)は99回2/3まで続けるも、伊藤同様に100イニング目前で初本塁打を浴びた。
それでも、前半戦の伊藤は104回1/3を投げ、被本塁打がこの1本だけ。完全試合を達成した佐々木朗(ロッテ)は6月3日に岡本和(巨人)、同11日には牧(DeNA)に1発を浴びており、今季50イニング以上投げている投手では佐々木朗や伊藤将(阪神)ら5人の2本を抑え、伊藤の1本が最も少ない。
本塁打が極端に少なかった1リーグ時代には、規定投球回に到達して本塁打を1本も打たれなかった投手が延べ36人いる。43年別所(南海)は319回1/3、40年清水(南海)は308回投げて被本塁打0だった。ただし、2リーグ制後に規定投球回以上で被本塁打0はいない。最少は56年稲尾(西鉄)と12年ウルフ(日本ハム)の2本で、3本もパ・リーグに4人だけ。セ・リーグでは56年渡辺(阪神)、89年大野(広島)、20年青柳(阪神)の4本が最少記録になっている。
「規定投球回」が条件のため、同じ2本でも稲尾とウルフでは投球回数が100以上違う。防御率のように、9イニングで打たれた本数を示す被本塁打率を計算すると、2リーグ制後の1位は56年稲尾の0.07。以下は12年ウルフの0.12、54年河村(西鉄)の0.130、58年秋本(阪急)の0.131と続き、0.10未満は稲尾だけだ。
現在、伊藤の被本塁打率は0.09だが、このまま本塁打を打たれずに最終規定投球回の143に到達すれば0.06となる。開幕から被本塁打0を98回1/3続けた伊藤が、後半戦で稲尾が持つ被本塁打数と被本塁打率の記録へ挑戦する。【記録室】
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