Wednesday, November 25, 2020

「あるがまま」受け入れ 尊敬される敗者たれ 鹿間孝一 - 産経ニュース

 バイデン次期米大統領のゴルフの腕前はわからないが、トランプ氏がゴルフ好きなのはよく知られている。メディアがバイデン氏の当確を伝えた時もゴルフの最中だった。

 米国の歴代大統領のゴルフには奇妙な特徴があり、共和党、民主党を問わず、そろいもそろってボールが左に曲がるフックに悩まされていたそうだ。辛辣(しんらつ)なコラムニストがこう評した。「仕事の性質上、手先だけで合わせる癖がゴルフにも表れるのだ。それに多分、あまりに右寄りだと思われたくない意識も働くに違いない」

 古今東西のゴルフにまつわるエピソードを集めた夏坂健さんの著作から引いた。

 トランプ氏は右寄りと思われても気にしないだろうから、フック病ではなかったはずだ。ただし、これも大統領に多いマリガンはやったかもしれない。

 マリガンとはミスショットを打ち直すことで、クリントン氏は「マリガン大統領」と陰口を叩かれた。いいスコアを出しても、「またマリガンをやったな」。

 ゴルフは600年に及ぶ歴史の中でさまざまなルールが積み重ねられてきたが、本来のルールはたった2つである。①あるがままにプレーする②自分に有利に振る舞ってはならない

 日本で最古のゴルフ場は1903年にアーサー・グルームが六甲山に造成した「神戸ゴルフ倶楽部」である。誕生まもない頃、イギリス人の会員がコースを眺めていると、同国人プレーヤーがラフに沈んだボールを草の上に置き直して打つのが見えた。「あるがままにプレーする」に違反しており、スコアを尋ねると、その分を数えていない。

 「私たちゴルファーは審判不在、自己申告のゲームを誇りとする。だからこそ欺瞞(ぎまん)行為が厳しく軽蔑されるのだ。すぐにゴルフをやめなさい。同国人として恥ずかしいから、神戸にもいてほしくない」。すると1週間後、本当に荷物をまとめて帰国したそうだ。

 トランプ氏のゴルファーとしてのマナーはさておき、大統領選後の身勝手な振る舞いは眉をひそめたくなる。敗北を受け入れず、不正があったと訴訟を連発し、次期バイデン政権への移行にも嫌がらせを繰り返す。

 古くからの格言に「ゴルフでは、良き敗者が常に尊敬される」。4年後に再挑戦したいなら、よけいに「良き敗者」であるべきだ。

しかま・こういち 昭和26年生まれ。社会部遊軍記者が長く、社会部長、編集長、日本工業新聞社専務などを歴任。特別記者兼論説委員として8年7カ月にわたって大阪本社発行の夕刊1面コラム「湊町365」(産経ニュースは「浪速風」で配信)を執筆した。

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