Saturday, August 12, 2023

「ど真ん中」を打たれないソフトバンク・スチュワート 全米 ... - 西日本新聞me

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 開幕前の予想に反して苦しい戦いが続くソフトバンクで明るい材料となっているのが、5年目のカーター・スチュワート・ジュニア投手(23)の成長だ。米大リーグのドラフト1巡目指名を受けながら日本の球団に入団した右腕は、今季先発の一角に入り、7月26日のオリックス戦で待望の初勝利をマーク。8月6日の日本ハム戦では2勝目を挙げた。スチュワートは何が変わったのか。データ面で傾向を分析した。(球種の判定などデータはJapanBaseballDataなど) 7月26日、京セラドーム大阪でのオリックス戦。スチュワートはオリックス宮城との投げ合いで6回を6安打1失点にまとめ、今季5試合目、通算16試合目の登板で初勝利を手にした。「日本での道のりは決して平たんではなかったし、アップダウンもあった。それでも、これまでの日々があって今の自分がいる」と感慨に浸った。

 今回はまず初勝利のマウンドをデータ面で振り返ってみたい。はっきりした傾向としては、それまでの投球に比べて真っすぐ(ストレート)の比率が低いことだ。今季、初勝利を挙げる前の4試合中3試合でストレートは60%以上で、残り1試合も59・6%だった。

 それが初勝利の際にはストレートが42・2%にとどまった。フォークが22・5%、スライダーが20・6%、カーブが14・7%。2ストライクからに限定すれば、ストレートとフォークが32・0%で並んだ。ストレート一辺倒ではなく、球種をバランスよく使って打者を打ち取ったことがうかがえる。その上、ストライク率がストレートは72・0%、フォークは60・8%と高かったのも光った。2勝目を挙げた8月6日の日本ハム戦もストレートの比率は44・7%と控えめだった。

 今季全投球を見ると、ストレートが56・6%。現在の他のホークス先発陣では、大関が53・9%、石川が50・5%、和田が47・4%、板東が45・3%、東浜が39・7%、有原が27・2%だから、やはり比率としては高い方だ。

 一方でスチュワートのストレートの被打率は3割1厘。前に1軍で投げた2021年は全投球中61・5%のストレートの被打率が2割8分だった。中継ぎとの併用だった2年前と起用法は違うが、今年の方が数字が悪い。その代わり、21年は全投球の0・4%しかなかったフォークが今季は8・9%。今季の被打率は11打数無安打で0割と全く打たれていない。

 スチュワートのイメージというと最速160キロを誇る力強い真っすぐを思い浮かべる人も多いだろう。その回転数は2700を超えることがあるという。変化球の回転数もスライダーは3100超、カーブも3300超をマークすることも。これらの数字は現在の日本プロ野球でもトップクラスだ。クイックモーションでの投球(ただしここ3試合は盗塁を許していない)に加えて、8月6日の日本ハム戦では自己ワーストの6四球を与えるなど課題もあるが、今後が非常に楽しみな素材であることは間違いない。

 スチュワートに関しては、もう一つ興味深いデータがある。いわゆる「ど真ん中」をあまり打たれていない。今季は13打数3安打で被打率2割3分1厘。内訳はストレートが8打数2安打で2割5分、カーブが4打数1安打で2割5分、フォークが1打数無安打だ。真ん中低めのストライクゾーンが17打数11安打1本塁打で6割4分7厘ということを思えば不思議な現象ではあるがぜんべ、その球威がもたらしたものだろうか。とにかく、ホークスの巻き返しに欠かせない戦力として期待したい。

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