この記事は2回目/全2回
彼は転機となったある出来事を明かす。友人たちとキャンプファイヤーを囲んでいるとき、「2018年の新年の抱負は焼き鳥について学ぶこと」だと打ち明けたのだ。もっとも、専門家になるためではなく、あくまで自分で料理できるようになるためだった。
まずはYouTubeで「焼き鳥の作り方」を検索してみたが、結果は散々だったと彼は言う。大半の動画は、照り焼きのタレをからめた串焼きを作る料理ブロガーのもので、タレを軽く塗ったり、タレにつけて調理する伝統的な焼き鳥は紹介されていなかった。日本語で検索すると、より多くの結果がヒットしたが、編集が雑で使い勝手がよくなかった。彼はそこにニッチな需要を見出した。
2ヵ月目あたりから、彼は焼き鳥にのめりこんでいった。友人のために料理を試作し、2018年3月には1人50ドルのチケット制でプライベート・ディナーサービスを始めた。ITスタートアップの経歴で言うところの「概念実証」である。
年に2回は日本を訪れることにしていたが、パンデミックで外国人旅行者に国境が閉ざされていたあいだは、再び来日できることをひたすら夢見ていた。昨年9月、日本に6週間滞在した際は、26軒の焼き鳥屋をめぐって、ビデオ撮影やインタビューをおこなった。その大半は編集が済んでいないため、まだYouTubeにはアップされていない。
「焼き鳥教育」が使命
彼のタレ・レシピは、それ以外の全ノウハウとともに、すべてYouTubeとSNSで無料公開されている。そもそも、彼の師匠たちや出会ってきた料理人たちは、自分のレシピやアイデアを公開していると彼は言う──なぜ門外不出にする必要がある?
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PROFILE
Translation by Naoko Nishikawa
からの記事と詳細 ( 「未来の焼き鳥職人が自分のタレを受け継いでくれるかもしれません」 | 米国が注目する焼き鳥の伝道師「ヤキトリガイ」 - courrier.jp )
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