阪神・湯浅は侍ジャパン・栗山監督の退任を受け、「常に身体を気遣っていただきましたし、かけていただいた言葉1つ1つに優しさ、気遣いが溢れていて、最高の監督だと思います。感謝してもしきれませんし、人として心の底から尊敬しています」と、感謝の思いを改めて口にした。
3月の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では3試合に登板。準決勝・メキシコ戦では8回に1点を勝ち越され、なおも1死一、三塁で山本(オリックス)を救援するなど、何物にも代えがたい経験を積んだ。メキシコ戦の翌日、決勝戦前の練習中には栗山監督から「あの場面で、あんないいボールを投げられたら、ここからは、どんな場面でも大丈夫」と背中を押されていた。
「侍ジャパンの一員としてかけがえのない経験をさせていただき、感謝しかありません。最高の仲間と出会い、世界一になれたことは、これから先も自分の人生の核になると思っています。その中で、もっと日本の力になりたかったという悔しい思いもあり、(WBCの次回大会が控える)3年後へ向けてしっかりとレベルアップし、戻ってきたいという強い思いに駆られています」
指揮官は退任会見で「“野球の伝道師たれ”というお願いは最後に選手にさせてもらいました。僕以上に選手達が分かっていて、しっかりやってくれると思う。時間をかけながら日本の野球の素晴らしさをさらに伝えてくれると信じている」と、世界一メンバーの今後への期待を語っていた。恩師の心からの願いを、湯浅も胸に刻みつけている。
「自分の大好きな野球をたくさんの方に観てもらい、感動や楽しみを与えられるようになればいいなと思います。伝道師と言えるかは分かりませんが、少しでも野球を通して、元気や勇気を与えられるような存在になれるよう、これからも精一杯頑張ります」。熱々と燃えたぎるような誓いとともに、さらなる躍進へ腕を振り続ける。 (阪井 日向)
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