2020年06月25日12時42分
【ワシントンAFP=時事】米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が販売したタルク(滑石)を原料とするベビーパウダーが、卵巣がんを引き起こしたとして損害賠償を求める裁判で、ミズーリ州控訴裁判所は23日、一審の陪審評決を支持し、同社に賠償金21億ドル(約2200億円)の支払いを命じる判断を示した。(写真は資料写真)
2018年、原告22人がJ&Jを相手取って起こした訴訟で、陪審は同社に対し、44億ドル(約4700億円)の賠償金の支払いを命じる評決を下していた。
今回ミズーリ州控訴裁は、州外の住民は原告に含まれるべきではなかったという点を考慮し、賠償金を前回の評決から半分以下に減額。それでも、J&Jが「アスベストを含んだ製品を、承知の上で消費者に販売した」として、原告の訴えを認めた。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは、同社が同州最高裁判所に上訴する方針だと報じている。
J&Jは自社のタルク原料商品に含まれるアスベストの発がんリスクを消費者に警告しなかったとして、全米で数千件もの訴訟が起こされている。
先月同社は、自社のタルクを原料としたベビーパウダーについて、製品広告をめぐる裁判が絶えないことなどから、米国とカナダでの販売中止を発表。一方で、それ以外の国での販売は継続する方針を表明している。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕
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